最近(さいきん)、地球(きちゅう)の温度(おんど)が高(たか)くなってきて、このままだと5℃(ど)もあがるそうだよ。
そうなると台風(たいふう)やハリケーンなどの自然災害(しぜんさいがい)がふえるね…。
どうして台風(たいふう)がふえるの?
温度(おんど)があがると海(うみ)や川(かわ)から蒸発(じょうはつ)する水分(すいぶん)がふえて、
そのぶんたくさん雨(あめ)がふるようになり、台風(たいふう)がふえるんだ。
ふ~ん、それから?
南極(なんきょく)や北極(ほっきょく)のほか、ヒマラヤやアルプスなど、高(たか)い山(やま)にある氷(こおり)がとける。
山(やま)の氷河(ひょうが)は、雨(あめ)がふらない乾期(かんき)に川(かわ)に水(みず)を流(なが)す「空(そら)の貯水池(ちょすいち)」なんだ。とけてなくなると、水(みず)が足(た)りなくなって農業(のうぎょう)ができなくなってしまう。それに、海面(かいめん)もがあがってくるね。
海(うみ)の水(みず)がふえるってこと?
そうだよ。海面(かいめん)が1メートルあがると、日本(にほん)の砂浜(すなはま)の8割(わり)はしずんでしまう。高(たか)さ1メートルくらいの小(ちい)さな島(しま)は、国(くに)ごとしずむかもしれないんだ。土地(とち)がしずむだけじゃない。生(は)えている木(き)や育(そだ)つ作物(さくもつ)の種類(しゅるい)、できるお米(こめ)の種類(しゅるい)がちがってきたり、海流(かいりゅう)がかわって、魚(さかな)がとれなくなるかもしれないんだ。
すごく大変(たいへん)な問題(もんだい)だね。…でも、どうしておこるの?
地球(ちきゅう)がセーターを着(き)ているからだよ。セーターを何枚(なんまい)も着(き)るとどうなると思(おも)う?
そりゃ、暑(あつ)くなるよ。
地球(ちきゅう)はいまそんなかんじなんだ。1枚(まい)でいいのに、2枚(まい)、3枚(まい)と透明(とうめい)なまくのような「温室効果(おんしつこうか)ガス」という地球(ちきゅう)のセーターを重(かさ)ね着(ぎ)している。この状態(じょうたい)を地球(ちきゅう)の温暖化(おんだんか)っていうんだ。
そうか!地球(ちきゅう)をあたたかくする温室効果(おんしつこうか)ガスというまくが、どんどん厚(あつ)くなっているわけか!それで、温室効果(おんしつこうか)ガスの正体(しょうたい)ってなんなの?
温室効果(おんしつこうか)ガスにはいくつか種類(しゅるい)があるけど、いちばん多(おお)いのは二酸化炭素(にさんかたんそ)なんだ。
じゃあ、二酸化炭素(にさんかたんそ)を出(だ)す量(りょう)をへらさなくちゃ!でも、二酸化炭素(にさんかたんそ)はどこからでているんだろう…?
いい質問(しつもん)だね!二酸化炭素(にさんかたんそ)は、石炭(せきたん)や石油(せきゆ)、ガスなどを燃(も)やしてでる。ここ50年(ねん)の間(あいだ)に、これらの燃料(ねんりょう)を燃(も)やす量(りょう)が爆発的(ばくはつてき)にふえたんだよ。
どうして?
ひとつは人口(じんこう)がふえているから。この50年間(ねんかん)で世界(せかい)の人口(じんこう)は2倍以上(ばいいじょう)になっているんだ。人(ひと)がふえれば、そのぶんたくさんのガスや電気(でんき)をつかうからね。
うんうん。
もうひとつは、昔(むかし)にくらべると今(いま)は、たくさんのものをつくり、売(う)り、わたしたちがかって、すてているでしょう?つくるための機械(きかい)を動(うご)かすときも、売(う)るために店(みせ)まで運(はこ)ぶときも、わたしたちの家(いえ)でつかうときも、すてたあとの処理(しょり)にも、電気(でんき)やガソリンなどをつかうんだよ。
暮(く)らしが豊(ゆた)かになるのはいけないこと?
そうじゃないんだ。
二酸化炭素(にさんかたんそ)をあまりださない“豊(ゆた)かな暮(く)らし”にかえていくことが 必要(ひつよう)なんだ。
そんなことができるの?
カンタンさ!たとえば自動車(じどうしゃ)は、ガソリンをつかって二酸化炭素(にさんかたんそ)をだすけれど、移動(いどう)の方法(ほうほう)は自動車(じどうしゃ)だけじゃないよね?同(おな)じ距離(きょり)を移動(いどう)するのに、鉄道(てつどう)だと一人乗(ひとりの)りの車(くるま)の10分(ぶん)の1以下(いか)の二酸化炭素(にさんかたんそ)ですむんだ。
なるほど。
車(くるま)でも、二酸化炭素(にさんかたんそ)をへらす方法(ほうほう)があるよ。相乗(あいの)りするのさ。ふたりで乗(の)れば2分(ぶん)の1。3人(にん)で乗(の)れば3分(ぶん)の1!それに、ものをつくるときに必要(ひつよう)な電気(でんき)やガスや石油(せきゆ)をへらすこともできるよ。
でも、ゼロにはできないでしょう?
そうだね。電気(でんき)やガスなどのエネルギーをへらす努力(どりょく)は大切(たいせつ)だけど、ゼロにすることはできないよね。
そうすると大事(だいじ)になってくるのが、エネルギーの種類(しゅるい)なんだ。エネルギーってなんだと思(おも)う?
ボクにあふれているもの!
まぁ、そうだけど…。エネルギーは仕事(しごと)をする力(ちから)なんだ。人間(にんげん)の場合(ばあい)、走(はし)ったり、考(かんが)えたりするときにつかうものだね。では、人間以外(にんげんいがい)で考(かんが)えてみよう。たとえば車(くるま)は?
車(くるま)の仕事(しごと)は荷物(にもつ)を運(はこ)ぶこと…。そのために必要(ひつよう)なエネルギーは、ガソリン?
そうだね。じゃあ、エアコンはどう?
エアコンの仕事(しごと)は、部屋(へや)をあっためたり、すずしくすること。エネルギーは…、電気(でんき)やガスだ!
電気(でんき)はよくつかうエネルギーだけど、どうやってつくるかしってる?
水(みず)の力(ちから)をつかう水力発電(すいりょくはつでん)や、石油(せきゆ)や石炭(せきたん)などを燃(も)やす火力発電(かりょくはつでん)、原子力発電(げんしりょくはつでん)もある!
風(かぜ)の力(ちから)をつかう風力発電(ふうりょくはつでん)や、太陽(たいよう)の光(ひかり)をつかう太陽光発電(たいようこうはつでん)、それから、地球(ちきゅう)の熱(ねつ)をつかう地熱発電(ちねつはつでん)もあるよ。この中(なか)でずっとつかえるものはどれかな?
ずっとつかえるのは、水(みず)、風(かぜ)、太陽光(たいようこう)、地熱(ちねつ)。石油(せきゆ)や天然(てんねん)ガス、石炭(せきたん)、ウランは、地球(ちきゅう)にあるぶんがなくなったら、つかえなくなるね。
そのとおり!では、もうひとつ!温暖化(おんだんか)をひきおこす二酸化炭素(にさんかたんそ)を出(だ)すものは?
さっき教(おし)えてもらったね!二酸化炭素(にさんかたんそ)を出(だ)すのは、石油(せきゆ)、天然(てんねん)ガス、石炭(せきたん)!
そのとおり!じゃあ、温暖化(おんだんか)や、これからもエネルギーを利用(りよう)することを考(かんが)えると、どういうエネルギーをつかいたい?
地球(ちきゅう)がある限(かぎ)りつかえて、二酸化炭素(にさんかたんそ)をださないもの!
そうだね。水(みず)や風(かぜ)や太陽(たいよう)の光(ひかり)をエネルギーのモトとしてつかうようにしていかないと、地球(ちきゅう)がもたなくなってしまう。それまでは、石油(せきゆ)や石炭(せきたん)にくらべて二酸化炭素(にさんかたんそ)のすくない天然(てんねん)ガスが大切(たいせつ)な役割(やくわり)を果(は)たすだろうね。でも最終的(さいしゅうてき)には、いつまでもつかえて、かつ、二酸化炭素(にさんかたんそ)をださないエネルギーを利用(りよう)するようにしなくちゃね。